
沖縄の「シルミチュウ(シルミチュー)」は、沖縄本島中部の浜比嘉島(はまひがじま)にある神聖な場所で、琉球の創世神話や信仰に深く関わる聖地の一つ。鳥居をくぐると神聖な雰囲気が漂う。
以下、シルミチュウの言い伝えや信仰について詳しくご紹介する。
シルミチュウの言い伝え
創世神「アマミキヨ」と「シネリキヨ」
琉球神話において、アマミキヨ(アマミチュー)とその伴侶シネリキヨ(シネリチュー)は、神の世界から地上に降り立ち、琉球の島々を創造し、人々の祖先になったとされている。
シルミチュウ(「シル」は霊、「ミチュウ」は霊人=神人)とは、アマミキヨとシネリキヨの住居跡、あるいは二人が子孫をもうけたとされる聖なる洞窟(鍾乳洞)だ。
神が住んだとされる洞窟
浜比嘉島には「アマミチューの墓」と並んで、「シルミチュウの洞窟」があり、この洞窟が神々の住処であったと信じられている。洞窟の内部には鍾乳石があり、そこから湧き出る水は神聖視されている。
この洞窟には次のような言い伝えがある:
「シルミチュウの洞窟でアマミキヨとシネリキヨが子を授かり、琉球人の始祖となった」
そのため、ここは「生命のはじまりの地」とされ、子宝や安産、家内安全の祈願に訪れる人が多い。
シルミチュウ信仰と現在
- この地は、沖縄のユタ(霊媒師)やノロ(巫女)たちによって大切にされてきた拝所(ウガンジュ)で、現在でも多くの人々が祈りを捧げに訪れる。
- 毎年旧暦3月3日(浜下りの日)には、地元の人々による祭祀が行われ、シルミチュウの洞窟やアマミチューの墓を訪れて祈りを捧げる風習が残っている。
アクセスと雰囲気
- シルミチュウの洞窟は浜比嘉島の山の中腹にあり、森の中にある階段を登っていくと小さな祠と洞窟にたどり着く。
- 周囲は静寂で神秘的な雰囲気に包まれ、訪れるだけでも神聖な気持ちになる。
まとめ
項目 | 内容 |
---|---|
場所 | 沖縄県うるま市・浜比嘉島 |
意味 | 神の住んだ洞窟、生命のはじまりの地 |
登場神 | アマミキヨ、シネリキヨ |
ご利益 | 子宝、安産、家内安全、縁結びなど |
信仰・行事 | 旧暦3月3日の祭祀、個人での祈願 |
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